20071013

ちいさな旅の一日:8:《この世界》に橋を架ける。

このシリーズ、まだ続いていたのかと思われたことでしょう。
もう自分でも、どこまで書いたやら忘れました。
近々、新しい話を書き始めなければならないので
急いで終わらせなければなりません。
さて、
トビウに、オキとジャウドゥのライブを見にいったよ
というところから、再開。

*


 オキ
(photo : ゆうすけ/gl(ジーエル)


音楽のことを書くのはどうしても苦手なので
ライブの感想をあれこれ書くことはしない。
ひとつだけ、
オキの演奏を聴きながら思ったこと。

 音楽は、メディアだ。

メディアとは、媒体、媒介。
あっちとこっちを橋渡しする橋だ。

「音楽は、メディアだ」と言うと、
みっつの意味が考えられる。

ひとつには、

 オキという人が、
 自分の思考、感情、その他いろいろを
 僕たち聴衆に、音楽という媒介により、伝えている。

ということ。
まあ、ふつうの意味。

ふたつめには、

 民族の神話や歴史などの知識・記憶・情報が
 世代から世代へ、音楽という媒介により、伝えられる。

ということ。
実際、文字を持たないアイヌは
口承と音楽で多くのことを語り継いできた。

みっつめには、

 人間と《この世界》は音楽に媒介される。

ということ。
抽象的で、漠然としていて、
なんかわかったような、わかんないようなこと。

ひとつめ、ふたつめでは、伝えられる「何か」があった。
その「何か」(音楽家の思いや、民族の神話など)が橋を渡っていく。
みっつめでは、橋を渡っていくもののことを言っていない。
空気とか、気配とか、
そのくらいのモヤモヤしたものが橋を渡っているのか。

そこに《この世界》がある、ということを
僕たちは「直接に」知っているような気がするけど
ほんとうは、
感覚や、概念や、イメージや、言葉や、
いろいろなものに媒介されなければ
《この世界》を知ることはできない。
音楽は、そういう媒介のひとつであって
そのなかでも特に世界が迫ってくるように思う。

そして、たぶん、
人間の側も音楽の媒介により、
《この世界》に向けて何かを渡そうとしている。
たぶん祈りのようなものを。

*

やっぱり話が長くなる。
これでも端折ったのだけど、それでも長い。
端折った分だけ、わかりにくい。
やっぱり音楽のことを書くのは苦手です。
まあ、いいやー。

ほんとすみませんけど、「9へつづく」!