20080531

ジロ読み(17-19°Tappa):2枚のジョーカー

我が身にちょいと事件があって、滞ってしまったので、
3ステージまとめて。

17ステージ。
逃げ集団にイグナチェフの姿を見て、ヤッター!と叫ぶ。
やっと逃げた。
しかも、逃げ集団からアタックをかけて単独の逃げになり、
道中テレビに映るたび、がんばれがんばれ声をかけていた。
残念ながら集団に捕まって逃げ切れなかったけど、
うん、よかった。

18ステージ。
疲れ果てて帰宅したら、もうレースが終わりかけ。
何があったか、よくわからない。
ベッティーニが勝ちたかったけど勝てなかった?

19ステージ。
このジロ、ゲーム開始時点では、ジョーカーが2枚あった。
リカルド・リッコ’の「ヒルクライムのジョーカー」、ピエポリ。
ダニロ・ディルーカの「ダウンヒルのジョーカー」、サヴォルデッリ。

総合タイムで遅れをとっていたディルーカがついにカードを切った。
たったひとりで、一瞬の間に、レースを破壊することのできる《異能》。
イル・ファルコ発動、スーパーダウンヒル解禁。
濡れた路面の下りを慎重に進むメイン集団を置き去りにして
サヴォルデッリがディルーカを牽いていく。
ディルーカ自身も好調で、
サヴォルデッリを切り離したあとペースを落とすことなく、
総合タイムを挽回し、コンタドールの背中を視界に捉えた。

一方、もう1枚のジョーカー、
ピエポリは落車による骨折でリタイアしている。
カードを切るまえにジョーカーを失ったリッコ’の方も強さを見せ、
ディルーカを追う集団からのアタックで抜け出し、
コンタドールとの差を詰めたが、
わずか4秒、マリアローザに手が届かなかった。
この「4秒」、失われたジョーカーがあれば、違ったかもしれない。

しかし、そんなことより、キリエンカ師匠である。
逃げ集団から、さらに単独で逃げ、逃げに逃げて、勝ってしまった。
落語家みたいな名前だというだけの理由で応援していたが
おおいに盛り上がった。よかった。

スペイン人のコンタドールがマリアローザを着るのを嫌い、
ディルーカ、リッコ’、シモーニらのイタリア人選手を
イタリア人は応援するのだと言う。
僕はイタリア人ではないけど、
このままコンタドールに優勝されたくないような気持ちがある。
コンタドールがスペイン人だからではなく、彼がツール覇者だから。
ジロ贔屓としては、ツール覇者に勝たれたくない。

と思う一方、
「ツール7連覇」をしながら、ジロで勝ったことのない(ジロを走る気もない)
ランス・アームストロングのような「合理的なチャンピオン」ではなく、
ダブルツール(同年にジロ、ツールをW制覇)を達成する
強いチャンピオンを見たい気持ちもある。
コンタドールがジロで勝ち、
アスタナが剥奪されているツール出場権を獲得し、
コンタドールがツールでも勝つ。
そんな筋書がありうるならば、それはそれで、見てみたい。

20080528

なんでかお気に入り

ピコリの自転車用パンツをネットで注文したときに、
梱包剤としてコレ↓が入ってきた。
ダンボールに切り込みが入っていて、
コレはもしかしてはーちゃん、遊ぶんじゃないか?なんて期待して、
床に置いて、うにおをその上で動かしてみた。

…そうしたら、もう、お気に入り。
うにおどころか、コレに乗って、ズサーーーーッと滑ってみたりして。




気づいたら、マット代わりにしてるし。
座布団だって、イスだってあるってのに。

ちょっとちょっと、はーちゃん!

 「 … 」

まったりしすぎ!

 「 ! 」

マットじゃないんだけどな~。
なんでコレがいいのかな~。

ジロ読み(16°Tappa):残念な応援

ドロミテ3日目、山岳タイムトライアル。
展開も駆け引きもなく、もろに力量が表れるステージ。

僕が気にかけている選手たちは、みんな遅れをとっていく。
僕が応援するとダメなのか。
メンショフが遅れ、ブルセギンが遅れた。
キリエンカ師匠に至っては、メカトラブル発生で
バイクを押してのゴール・・
ピエトロポッリはもう名前も聞かない。
どうしているのかな。

さっぱり目立たないけど、じわじわ浮かんできている
シモーニのとっつぁん。
若者たちのたたかいに参加できるかな。

20080526

ジロ読み(15°Tappa):「山の王」の光と影、そして「骨折のジロ」へ

レオナルド・ピエポリ、07年ジロ「山の王」。
《サウニエルドゥバル》にあって、シモーニ、リッコ’に
献身的なアシストを捧げ
いや、「献身的なアシスト」は慣用句ではなく
まさに文字通り、身を粉にする献身的な働きでエースを支えた。
ゴール前で先着を譲って、両エースにステージ優勝を飾らせ、
自らもひとつステージを穫った。
少なくとも僕には、そしておそらく多くのファンに、
総合優勝したディルーカ以上に強い印象を残した。

今年もまた、シモーニ移籍後の《サウニエルドゥバル》にあって、
いよいよ優勝候補に挙げられるようになったリッコ’のアシストとして
当然に活躍するものと、誰もが思った。
ドロミテ山塊に入り、いよいよピエポリの出番だった。
しかし・・・

11ステージの落車で負傷。
その後に続いた平地ステージでの回復が期待されたが
ドロミテ突入の14ステージではまだ痛々しい姿で
どうにか走っているような有様、
おまけにまた落車し、座り込んだまま立ち上がれないでいた。
ゴール前で勝負がかかったシーン、ピエポリの姿はなかった。
あとから、骨折のためリタイアしたと報じられた。

セッラがドロミテ2連勝を飾り、
新たなる「山の王」として名乗りを上げた陰で、
あんなにも強かった07年「山の王」ピエポリは、
彼が最も輝くはずであった最難関の山岳ステージの途中、
ジロを去っていった。

コンタドールが総合トップに上がり、初のマリアローザを着た。
ザブリスキーからピエポリに至る骨折リタイアの多発があって
さらに、亀裂骨折を負いながらコンタドールが総合優勝した日には
今大会、「骨折のジロ」として記憶されることになるだろう。

あれ?

 てやっ

 あれ?

 あれれ?

 …。


よく、前転や横まわり?なんかをするはーちゃんだけど、
まわった後、「 あれ? 」って感じでボケッとするときがある。

脳までまわっちゃってんのかしら。

20080525

落語一年生日記(その6)

「 立川志の輔独演会 」

  立川志の八    「牛ほめ
  三遊亭全楽    「ちりとてちん
  立川志の輔    「親の顔」
  (仲入)
  ダメじゃん小出   なんかゆるい芸、ジャグリング?
  立川志の輔    「五貫裁き




志の輔さん、新作と古典をひとつずつ。
多いに笑って、聞き入った。
聞いている最中には、噺に引き込まれて、何も考えてはいないのだけど
あとになって、じわじわと脳に効いてくる。
志の輔さんの落語に何が仕掛けられていたのか真剣に考えていくと
これはなかなか難解なことになりかねない。
ちょっと面倒な話を書くけど、もちろん家に帰ってきてから考えたことで、
聞いている間はただただ聞き入っていた。



「親の顔」。
学校のテストで全問不正解だった子の回答をめぐって
思考フレームのずれで笑わせる噺。
子は、回答するにあたって考えた理屈を述べる。
その父は、子どもの理屈におおむね賛同しながら、
その回答が不正解とされた理屈を述べる。
子の思考も父の思考も、学力テストのフレームからはずれているので、
担任教師は面食らう。

たとえば、「81個のみかんを3人で等しく分けなさい」と問われ、
子は「ジューサーでジュースにして分ける」と言う。
だって、みかんには甘いの酸っぱいのがあるのだから、
等しく分けるにはジュースにするしかない、と。
父は「そのとおりだけど、考えが足りない」と言う。
なぜなら、81個のみかんは1度にジューサーに入らないから。

テストの回答として、正解は「27個ずつ分ける」しか、ありえない。
問題を数量に限定するフレームが、暗黙の前提として与えられている。
暗黙の前提を理解できないものは「空気読めない」と誹られ、
社会の片隅に排除される。
だから、学校は計算という技術を教えるとともに、
社会のフレームを植え付けていく。
「親の顔」の子は、数量のフレームが埋め込まれた問いに対して
質をもって答え、不正解のバツをちょうだいする。
質とは、すなわち、甘いか酸っぱいか。
いくらたくさんみかんがあっても、酸っぱいみかんばかりならば
嬉しくはない。
学校では、嬉しいかどうかは問題にされないので、バツになる。

子は、ジューサーにより質の均一化を図るが、
父は子よりも世の中を知っている。
みかんはジューサーに入り切らないのである。
質ってのは、そんな簡単に均一化できるものじゃない。



「五貫裁き」。
堅気になって八百屋を始めようと一念発起した八五郎と、
大きな質屋を経営する徳力屋の諍いを、大岡越前が裁いた。
裁きは、貧しい八五郎に五貫(五千文)という多額の罰金を申し付けるもの。
ただし、八五郎が一文ずつ徳力屋に渡し、徳力屋が奉行所へ届けるルール。
八五郎、昼夜を問わずに一文を届けにいく。
夜も寝られなくなった徳力屋、音を上げて示談を申し出る。
八五郎は示談金で八百屋を構えることができた。
八五郎に店を構えさせたことで、徳力屋は偉いと褒められるようになった。
褒められて気分をよくした徳力屋、それからは善行を積むようになった。

勧善懲悪のストーリーのようでいて、そうではない。
ケチだった徳力屋、施しをしすぎて店は潰れた。
八五郎の店も繁盛したが、持ち慣れない金を持って、身を滅ぼした。
関係者みんな死んで、この話を知っている者はいなくなった。
と終わる。
なんなんだ、これは。

まずは大岡越前が、罰金「五貫(五千文)」を「一文を五千回」と
読み替えた。
算数としては、イコールで結ばれるはずのことだが、
実際には算数どおりにいかない。
このあたり、「親の顔」に通ずる。

資本の論理と義理人情の倫理がかちあって、義理人情が勝つ。
宵越しの銭は持たないという江戸っ子の「粋」メンタリティとも見えるし、
もともと宵越しするほど金のない町人の、資本家への羨望とも見える。

ともあれ、どのみち、みんな死んだ。
善でも悪でも、得でも損でも、すべて忘れられた。
談志師匠によく似た、しわがれた声で志の輔さんが語る
談志式「五貫裁き」のエンディング。

価値観を相対化して引っ掻きまわした挙げ句に、諸行無常の彼方へ突き放す。
聞き入っているうちに、こんな、からっぽな地平まで連れ去られるのだが、
このからっぽさは、絶望感には染まらず、なぜか爽快感をもたらす。
さばさばした虚無感が、なぜか、生きる希望に思えた。

ジロ読み(14°Tappa):空を行く者なき、地上のたたかい

ドロミテ山塊3連戦、初日、頂上ゴール。
山岳賞ジャージを着る《ナヴィガーレ》エマヌエーレ・セッラが
13人の逃げ集団から、登りで単独抜け出し、そのままステージ優勝。
セッラ、強い。そして、小気味よい。

第2ステージの記事で07年総合上位選手の動向を整理したとき
セッラについては
「下位カテゴリ《ナヴィガーレ》のエース、毎年このくらいの位置で走り続ける。
 そういう仕事もある。総合1ケタ順位を目指してほしい。」
と書いた。
現在、総合では7分33秒遅れの26位。
栗村さんが「山岳賞のために、あえて総合順位を落としている」と言っていたけど
ほんとうに今年は目標を、山岳賞とステージ優勝に絞り込んでいるようだ。

セッラのことは、特に印象はなく、名前も覚えていなかったのだけど
13ステージを見ていて急に思い出した。
07年ジロの8ステージ、終盤に《ティンコフ》ブルとともに逃げて、
ブルとセッラが逃げた!、ブルセラコンビだ!、とダジャレで実況されていた、
あのセッラだったか。
07年、ブルもセッラも勝てなかった。
08年、ブルもセッラもステージを穫った。

セッラに続いて、単独2位でゴールしたのは、キリエンカ師匠だった。
ニヤリ。

ドロミテ突入で、総合争いも激化。
優勝候補のエースたちの脚の調子が見えてくる。
クレーデンが遅れ、コンタドールが遅れ、ディルーカが遅れるなか、
思いがけず余裕の走りを見せたのが《ラボバンク》デニス・メンショフ。
メンショフがひょいひょいと登っていく。
しばらく付いていたシモーニが、リッコが、遅れる。
メンショフに、必死な様子はない。

メンショフ、このジロに臨むモチベーションがどれほどあるかわからなかったが
なるべくなら活躍してほしいと思っていた。
このジロには、はちゃめちゃな経緯が絡み合った結果として、
07年のジロ、ツール、ブエルタ、グランツール覇者3人が揃い踏みとなった。
一般的な評価として、グランツールの「格」は、ツール>ジロ>ブエルタ。
したがって、コンタドール>ディルーカ>メンショフ。
ここでメンショフが大敗すると「やっぱりブエルタは格下」と見られるに違いなく、
そうなってほしくなかった。
だから、ブエルタ覇者として、メンショフには意地を見せてほしい、
ジロ覇者ディルーカ、ツール覇者コンタドールとのたたかいで
勝たないまでもせめて大敗しないでほしい、
と思っていた。
ところが、どうだ。
ドロミテ初日、むしろメンショフはディルーカとコンタドールを置き去りにして、
総合順位もジャンプアップ。
1ステージだけで判断できるものではないけど、十分にたたかえる感触。
いいね、いいね。

さらに、さらに。
地味に、しかし、堅実に
「ロバ飼い」ブルセギンもディルーカ、コンタドールに先着して
総合3位につけた。
これまた、ニヤリ。

勝負所を迎えて、かなり面白くなってきた。
タイム差2分のなかに優勝候補がひしめきあっている。
奇跡のように突出し、人間離れして強く、不審なほど圧倒的な、
空を飛ぶように山を登るスーパーマンのような選手はいないように見える。
顔を歪めてしのぎを削る、泥臭い人間同士の、地上のたたかいに見える。
面白くなってきた。

20080524

ジロ読み(13°Tappa):憎ったらしさの世代交代

スプリンターたちのたたかい、
ベンナーティ3勝、カヴェンディッシュ2勝。
ツァベル、マキュアンともに勝ちがない。
マキュアンは勝てないばかりか、覇気がない。
勝ちたい気持ちが見えない。
勝てそうなオーラが見えない。

強いときのマキュアンは憎ったらしくて仕方がないが
今のマキュアンに憎ったらしさは、さっぱりない。
むしろカヴェンディッシュの憎ったらしさが群を抜いている。
これほどまでに憎ったらしい奴も珍しい。
憎ったらしくて、ついつい見てしまう。
見れば見るほどに憎ったらしい。
この憎ったらしさはもう誰にも止められやしない。
ゴールシーン、ポディウム、インタビュー、
あらゆる切り口において憎ったらしさを惜しげもなく振りまいている。

憎ったらしいマキュアンが見たい・・

さあ、いよいよ総合争い本格始動のドロミテ3日間に突入だ。

20080523

公園(公館)デビュー その後

公園デビューは失敗だった、と思う。
なぜって帰ってきてから、はーちゃんの態度がちょっと違ったから。

「元・外の子」
「もしかしたら飼われていた時期があって、捨てられたかも?」の過去をもつ
はーちゃんにとって、外はお散歩のイメージではないのだ。多分。

「置いてかれるかも」
「捨てられちゃうかも」
小さな頭の中で、そんなことを考えたのかもしれない。

よそよそしいような、それでいてすごくベッタリで、やけに良い子だったり。
眠いのにずっと居間にいて、わたしを監視している様子が2日間くらい続いた。


 監視というか凝視?


もうすっかりいつも通りの姫っぷりだけど。
心配させてごめんよ。

ジロ読み(12°Tappa):イケメンは3日で飽きる

久しぶりに、ド平坦なステージ。
今日はそう、スプリンター達の出番。

うまい具合にベンナーティ(リクイガス)がすすっと出てきて、
ちんりくりんカヴェンディッシュ(ハイロード)の猛追が3センチ足りず、
マキュアン(サイレンス・ロット)も前に出れず、
イケメンベンナーティが3勝目。

いやあ~すごいね!
やるねイケメン!
強いねイケメン!


…だがしかし、TVの前でイマイチ盛り上がらず。


例えば山岳TTをブルセギンが勝つかどうかの瀬戸際、
コンタ君(コンタドールのことですが)のタイム猛追にあわわとなりながら、
結局タイムが届かず、ブルセギン勝利が決まったときの盛り上がり。
コンタ君ファンごめんなさいってくらい、喜んだ。

例えば去年のツールで、マキュアンが落車したのにもかかわらず、
チームメイトの必死のひきで前線に戻ってきたなと思っていたら、
あれよとあれよという間に混戦を制したときなんか、
ピコリとハイタッチして、喜んだ。


イケメンなんだけどなあ~
イケメンなんだけどなあ~

20080522

ジロ読み(11°Tappa):ヤマニゲラクシャ

ちょうど折り返しのステージ、
ジロ前半を象徴するようなレースになった。

08年ジロの構成要素の大部分は、
山と、逃げと、落車。

山。
もともと、ジロと言えば山、だけど。
平坦っぽいステージにも、必ずちょっとした山が仕掛けてあって、
確実に展開を左右している。

逃げ。
逃げが元気で、逃げ勝ちが多い。
目立てばいい、という逃げに終わらない。
逆に言えば、集団はステージ優勝にこだわっていない。
あるいは、こだわる余裕がない。

落車。
やはり多い。
気をつけてって言ったのに。

立川談春『赤めだか』を読みながら、ちらちら見ていたので
かなり散漫な観戦だったのだけど、それでも
実況でピエトロポッリやキリエンカの名前が呼ばれるたびに
反応してしまう。
なにか間違っているような気がする。

サイクリングタイム!の記事に
http://www.cyclingtime.com/
ブルセギンのロバ増殖の最新情報があった。
ロバ、すでに23頭だって。
年間1万2千本のワインを醸造しているって。
バスクが好きだって。
やっぱりブルセギン、いいなあ。

20080521

ジロ読み(10°Tappa):ロバの増殖

ネットのうわさ話を拾い集めた。

9頭ロバを飼っているらしい。
ロバは14頭ではなく15頭らしい。
17頭らしい。
ロバ、また何頭か子供が生まれるらしい
10頭まで名前が判明した。
ピエーラ、ピッコラ、ピエリーナ、パスカリーナ、ジャリアーノ、
アレッサンドロ、フランチェスカ、テレサ、カミーラ、チェレステ。
ロバのアレッサンドロはペタッキにちなんで名付けられたらしい。
ペタッキはロバの面倒を見るアンナさんにあるレースの優勝を捧げたらしい。

ブルセギンが活躍するたびに有名になるブルセギンのロバ。
話題になるたびロバは増えている。

ブルセギン応援していたので、
07年に続いてのTTステージ優勝、うれしかったな。
ブルセギンの笑顔はチャーミングで好ましい。

20080520

ジロ読み(9°Tappa):クラッシュクラッシュクラッシュ

どうも落車が多い。
しかも、深刻な落車が多い。
地面に倒れ込み、痛みに顔を歪め、
立ち上がることができず、運ばれていく。
結局、レースを続けられなくなる。
そんな落車が多い。

第2ステージ。
《スリップストリーム》ザブリスキー、腰椎骨折。即リタイア。

第3ステージ。
《ティンコフ》キリエンカ師匠のオーバーランから大落車が発生。
《CSC》マクギー、鎖骨骨折。即リタイア。
同じく《CSC》オグレディ、やはり鎖骨骨折。翌日スタートせず。
《サウニエルドゥバル》リッコ’、人差し指脱臼。レースは続行。

第4ステージ。
ゴール前大落車。
《コフィディス》ナイエンス、鎖骨骨折。翌日スタートせず。

第6ステージ。
《アージェードゥーゼル》マンドリ、不明。即リタイア。

第8ステージ。
《アスタナ》コンタドール、左肘の亀裂骨折。レースは続行。

第9ステージ
《ナヴィガーレ》サヴィーニ、《コフィディス》フェルナンデスが
救急車で去っていった。
負傷の詳細は報じられていない。

他にもリタイアした選手はいるので、
まだ落車で怪我しているかもしれない。

みんながなるべく転びませんように。

20080518

公園(公館)デビュー その2

いきなりだだっ広い芝生の場所だと心もとないかも、と
東屋へ移動してみた、

が…。

 やっぱりびびってる。

 首だけ伸ばして偵察。

 顔がひきつり?気味。

かなりびびったままなので、もう帰ることに。

帰り道、もうちょっと狭い場所なら大丈夫かなと、
ミニ大通に寄ってみた。

 大丈夫じゃない様子。

 「 帰るーーーー! 」

「帰りたかったらかばんに入りなさいなー」なんて、話しかけていたら、
必死の様子で自らかばんに入ったはーちゃん。
よっぽどのストレスだったらしい。

公園滞在時間、20分ほど。
ミニ大通滞在時間、5分ほど。

家では大胆はーちゃんも、外では超小心者なのだった…。

ジロ読み(8°Tappa):総合など序盤のまとめ

イタリア1周、3週間の旅も、もう8日目。
序盤から、中盤へ。

今年のジロは、ほんとうに単なるスプリントステージが少ない。
というか、ほとんどない。

見かけていないけど、マキュアンはまだ走っているのだろうか。
調べたら、一応まだ走っていた。完走する気はなかろうが。
何かトラブルあったのか、ただ疲れたのか、
《ティンコフ》ロッドはもう自転車を下りたようだ。

8ステージはリッコ’が登りスプリントを制して勝った。
ピエポリのアシストが強力だ。
リッコ’、もし今が調子のピークなら、今後きつくなりそうだが、
だいじょうぶなのか。どうなのか。

ディルーカが挙動不審だ。
何を考えているのかわからない度合いが、ベッティーニを上回っている。
とは言え、総合順位、タイムは詰めていっている。

「キラー」ディルーカのタイムを基準に、有力っぽい選手を見ていくと、
「コブラ」リッコ’が、6秒遅れ。
「パンクで泣いちゃった」セッラが、9秒遅れ。
「小鳥が好き」コンタドールが、29秒遅れ。
「ラーメン」ペリツォッティが、44秒遅れ。
「イル・ファルコ」サヴォルデッリが、1分3秒遅れ。
「山の王または黒ヒゲ危機一髪」ピエポリが、1分11秒遅れ。
「ツァベル、リース、ウルリッヒ、ケスラー、ヴィノクロフら、
  いつも疑惑の人々のチームメイト」クレーデンが、1分12秒遅れ。
「ロバ飼い」ブルセギンが、1分30秒遅れ。
「ジーボ」シモーニが、1分46秒遅れ。
「アメリカ人」ライプハイマーが、1分47秒遅れ。
「ロシア人」メンショフが、1分49秒遅れ。
「特になし」ペトロフが、1分55秒遅れ。

ブルセギンやペトロフが有力っぽいのかどうかって?
いや、たぶん、世間ではそんなことはないでしょう。
個人的に気にしているだけ。

個人的に気になると言えば、ピエトロポッリ。
第8ステージ5位でゴールしていた。
ゴール前の争い直前までアシストしていたピエポリより先着、
それどころかチームのエース・ディルーカより先着していた。
ピエトロポッリは地味にポイントを稼いでいて、
ポイント賞、22ポイントで18位(ピエポリは16ポイントで24位)、
山岳賞、5ポイントで7位(ピエポリはまだ山岳ポイントなし)。
地味すぎて気にかけていないと忘れそうだけど、
しばらく追跡調査を続けたい。

(序盤のまとめ)
ここまでなにひとついいとこなしのシモーニに
がんばってもらいたい。
がんばりすぎていて笑えてしまうディルーカにも
もっとがんばってもらいたい。

20080517

公園(公館)デビュー その1

好奇心旺盛なはーちゃんは、
わたしがどこかのドア(トイレ、物入れ、キッチンの下などなど)をあけるたび、
ダーッと走ってきては入ろうとしたり、実際入ったりして探検する。

そんなはーちゃんだから、
暖かくなったら外へ連れて行ってあげたらいいのでは?
と前から計画していた。
ハーネスをつけて、今日初めて近所の公園(といっても知事公館の庭)へ。

でもはーちゃん、楽しいどころかストレスフルだった…。

 かなりびびってる。

 かばんから出ない。

かばんから出しても、ピコリやわたしの服に入って隠れたり、
もうとにかくびびりまくり。

子供たちもたくさんいて、甲高い声も聞こえるし、
カラスの鳴き声も聞こえるし、
いろいろ気になって仕方ない様子。

 肉球に汗。

 もう、いっぱいいっぱい。

全然余裕のないはーちゃん。

 「 ……もう帰りたい 」

ジロ読み(7°Tappa):1つのステージで同時進行する3つのレース

自転車ロードレースのもつ独特の面白さを簡潔に表現するならば、
「 多様性 」ではないかと思う。
大集団で走っている自転車選手たちは同じく走っているようで
実はそれぞれ別のことを考えている。

自転車ロードレースというのは、興味のない人からすれば
「自転車のマラソン」に見えるだろうが、実はぜんぜん違う。
マラソン選手の思惑はたったひとつだろう。
すべてのマラソン選手は、たったひとつの目的のために走っている。
つまり、ちょっとでも早くゴールへ辿りつくこと。
その目的のために、勝つか負けるかはともかく、
ペース配分をしつつも、自分の力の許す限り、速く走ろうとするだろう。

だけど、ロードレースでは、ひとりひとり、そのときそのとき、
目的や、役割や、思惑が、まったく違っている。
そういう多様性の絡まり具合がロードレースの面白みで、
最初の山岳ステージしかも頂上ゴールの第7ステージには
その面白みが凝縮されていた。

目的が多様であるため、いくつかの異なる争いが同時に行われている。
別の言い方をすれば、一緒に走っているのに、別のレースをしていることになる。
第7ステージでは、いくつかのレースが同時進行していた。

ひとつには、「今日のステージ優勝をかけたレース」。
このレースの参加者は、
《LPR》ボジージオ、《ナヴィガーレ》セッラ、《ティンコフ》キリエンカら、
逃げ切りを確実にした時点で残っていた先頭集団5名。
キリエンカという名前を聞いて、落語家みたいな名前だなと思った。
前落語協会会長の三代目三遊亭圓歌には、若圓歌、小円歌という弟子がいる。
その流れで、三遊亭キリエンカ。漢字をあてるなら「桐圓歌」かな。
ヴァシル・キリエンカ、08年世界選手権ポイントレース優勝者。
トラックでも活躍するロードレーサーと言えば
第4ステージ優勝のカヴェンディッシュのように
スプリンターが多いだろうと思うのだけど
キリエンカは山岳ステージの頂上ゴールで2位になった。
《ティンコフ》には気になる選手が多い。
ボジージオがアタック、パンクしたセッラが遅れ、
キリエンカが追うが、ボジージオがステージ優勝。

その後方で、また別のレースも進行していた。
最終的な総合優勝を狙う選手たちによる「時間差を稼いでおきたいレース」。
《サウニエルドゥバル》リッコ’、《LPR》ディルーカ、《アスタナ》コンタドール、
優勝候補のうち3人がメイン集団から抜け出した。
3人と一緒に小集団に入った07年「山の王」ピエポリは、
このレースに参加してはいない。
一緒に走っていても、リッコ’のアシストなので、争いの当事者ではない。
参加しているようでいて、実は参加していない。ただリッコ’を助けている。
小集団に入った3人が勝ち組、入れなかった優勝候補は負け組。
まだ先は長いけど、勝ち組3人は、まずちょっと有利になった。
負け組で不利になったのは
《チェッラメンティ》シモーニ、《アスタナ》クレーデン、
《ラボバンク》メンショフあたり。

《LPR》は、ボジージオの区間レースと、ディルーカの総合レース、
両方に参加していたので、チーム戦略としては支離滅裂に見えたが、
結局は両方とも成功した恰好だ。

ピエポリは今年も強い。
07年、シモーニとリッコの献身的なアシストとして働き、
ふたりのエースそれぞれに1勝ずつ譲って、さらに自身も1勝。実質、3勝分。
ついでのように山岳賞を獲得。名実ともに「山の王」。
ピエポリがエースでも戦えそうだが、リッコのアシストに徹するようだ。
関係ないけど、今のところの山岳賞ランキング上位に
「Pietropolli」という名前があって、一瞬ピエポリかと思った。
でもピエポリは「piepoli」、「pietropolli」はピエトロポッリ。
ピエトロポッリは《LPR》、ディルーカのアシストだ。
山岳ポイントの100円貯金をしているようだけど、狙っているのかな。
ピエポリとピエトロポッリの山岳賞争いになったらややこしいけど
まあ、ないか。

第7ステージでは、まだ、もうひとつ別のレースもあった。
「とりあえず今日のところのマリアローザが欲しいレース」。
どうせミラノまで守り続けられないけど、ちょっとでも着たいピンク。
参加者は《クイックステップ》ヴィスコンティと《ゲロルシュタイナー》ルス。
昨日のゴール時点で、ふたりは同タイム。
着順合計でヴィスコンティがマリアローザを着て、ルスは悔しい。
悔しいのでヴィスコンティを徹底マークし、奪おうと狙うルス。
だけど、9秒差をつけてヴィスコンティがマリアローザを守った。
まあ、仕方がない。
「虹のジャージ」を着た世界チャンピオン、ベッティーニが
ヴィスコンティのアシストをしていたのだから。

ジロ読み(6°Tappa):ちっちゃっ

当初は266km程の長いコースで開催予定だった第6ステージだけど、
連日の移動の大変さに怒った選手たちが主宰者側に抗議して、
周回コースがカットされて231kmに変更された。
それでも、長い長いステージ。

でもTV中継が始まった途端、もう残り30kmだった…。
うーん残念。
ハイペースだからってさ。

結局、マッテーオ・プリアーモ(CSFグループ・ナヴィガーレ)と
アラン・ペレス(エウスカルテル)の2人が最終的に逃げて、
優勝はプリアーモだった。

それにしても、ナヴィガーレのユニフォームってば
腕のところがオレンジと緑の縞模様。
なんだかマクドナルドのドナルドを思い出してしまう…。
なんとかなんなかったのか、あのデザイン。

*

でも一番気になったのは、
この日マリアローザ(総合で一番早い)のジョヴァンニ・ヴィスコンティ(クイックステップ)。

イタリア国旗ジャージの上にマリアローザを着て、
さらに新人賞のマリアビアンカを重ね着なんて!
名誉なのに、相当な名誉なのに…
表彰台でジャージを着た姿といえば、

マリアローザジャージちっちゃ!

本人もすそが気になってしかたないらしく、
ずっとひっぱってるし!

サイズは色々あろうに、なぜ…。
あいつちっさいから、このサイズだろうなんて感じで
アバウトに決められているのか?

不憫だ。

20080516

ジロ読み(5°Tappa):afferrare la fortuna per i capelli

5日目、5人の「逃げ」に《ティンコフ》のブルが入った。
07年ジロで、最終的に強い印象を残したのは
逃げるブルがなびかせていた後ろ髪、
逃げるイグナチェフが深い前傾姿勢で突き上げた尻、
とにかく毎日逃げる《ティンコフ》ではなかったか。

どうせ集団スプリントになるステージ、
「逃げ」の勝ち目なんてほとんどないのだけど、
《ティンコフ》が逃げないことには、盛り上がらない。

……なんて、第3ステージと同じことを思っていたら
思いがけずブルが勝ってしまった。
幸運の女神に後ろ髪はない。幸運なブルの後ろ髪は長い。

ひさびさ、大きな歓声を上げてしまった。
落車で遅れたロビー・マキュアンが、いつのまにか前線復帰して
まさかのスプリント勝利した07年ツール第1ステージ以来だろうか。

今日の「逃げ」の中心人物は
なんといってもイギリスナショナルチャンピオンのデイヴィッド・ミラーだった。
ミラーが入っていたことが逃げ集団を鼓舞し、
また、メイン集団に「逃げ容認」させたのではないか。
そして、たぶん、なにごともなければ、ミラーが勝っていたのではないか。
だけど、ブルがアタックをかけると同時に、ミラーはメカトラブルで止まってしまった。
止まって、バイクを持ち上げ、投げてしまった。

バイクを投げる、と言うと、
カンピオニッシモの息子、アクセル・メルクスを思い出す。
07年ジロ、第4ステージ。
落車して、腹を立てたアクセル・メルクスが、自転車を投げた。
でも、待っていてもチームカーが来ないのでバイク交換できず
結局は投げ飛ばしたバイクに乗ってリスタートした。

逃げメンバーのひとり、《ゲロルシュタイナー》のフレーリンガーは
「ブルはミラーのトラブルを利用した」と非難しているけど
ブルのアタックはミラーのトラブルより早いか、少なくともほぼ同時で、
利用したわけではないと思う。

《ティンコフ》、Tinkoff Credit Systems。
ロシアの大富豪、オレグ・ティンコフが07年に設立。
《Tモバイル》を解雇されたヤン・ウルリッヒ獲得に興味を見せるなど
ヨゴレも気にしない、なりふり構わぬ選手獲得で話題になった。
結局ウルリッヒは引退し、《ティンコフ》で走ることはなかったが
07年ジロでのブル、イグナチェフの逃げっぷりが目立ちに目立って、
ずいぶん強い印象を残した。

ジロに先立つ、07年ツールドランカウイ、第9ステージ。
《メイタン》新城幸也のアタックから13人の「逃げ」が形成され
この逃げ集団のなか、最後まで残った4人のスプリントを制し、ブルが区間優勝。
これが《ティンコフ》の最初の勝利になった。

Pavel Brutt、カタカナ表記にばらつきがある。
サイクリングタイムでは「ブラット」、Jスポーツでは「ブル」。
他に「ブルツ」とされている場合もある。どれがほんとうか。
トルストイなどを好む文学青年だと言う。好感度さらにアップ。

ブルの優勝は嬉しかった。
次はミハイル・イグナチェフのかっこいいところを見たい。
今年、イグナチェフはまだ逃げてない。どうしたのか。
今年の《ティンコフ》はアルベルト・ロッドのために
トレイン形成したりもしているので
逃げてばかりもいられないのかもしれない。

20080514

ジロ読み(4°Tappa):みじかっ

4日目。
昨日に引き続いてスプリント勝負になるであろうステージ。
今日はコフィディスのヴェルブルッヘが単独で逃げる逃げる。
単独の逃げは、風もプレッシャーも真っ向から受ける。
がんばったヴェルブルッヘは、
ゴール前20kmほどで吸収され、
そこからはもう、いつもどおり誰が勝つかわからない状態。

先頭集団にはベッティーニ、ツァベル、マキュアンのおじさん組や
昨日勝ったベンナーティ(イケメン)もいる。

わくわくする。

でもイケメンより、キャラ最強マキュアンに勝って欲しい!
マキュアンじゃなくても、とにかくオーバーサーティに!
30代のわたしとしては、30代をエコヒイキしているのだ。
イケメンよりも。

というか意識せずしてつい、そっち(Notイケメン)を応援してしまうのだった…。
なぜ…?


さておき。

もうゴール前というところで、落車が発生。
選手も自転車もぐしゃぐしゃなすさまじい落車から、
ハイロードの選手がなにごともなかったかのようにぬぉおおと駆け抜けていく。

すげえ!転ばない人は転ばないんだ!と感心している中、
あっという間にイケメンベンナーティが抜け出していく。
昨日に続いて2勝目か?と思ったところで、
後ろからカヴェンディッシュが一気に加速して抜き去り優勝。

--

ここまでは前置きです。
わたしが衝撃を受けたのは、表彰式。
表彰台に上がったカヴェンディッシュ…。
身体が写った瞬間、わたしは叫んだ。

「 足、みじかっ! 」

いやほんと、カヴェンディッシュのファンの方すいませんね。
でもその後も、
「腕もみじかっ!」
「あわあわしてる」
「おねえさん、キスしてないじゃん」と連呼してしまった。

いろんな意味で、気になるカヴェンディッシュだ。

20080513

キラッキラ

ここ3週間くらい、飽きずに遊んでいるのが、『うにお』。
右に写っているフワフワにリボンがついたおもちゃ。

※うにおという呼び名はいつも楽しみに見ているブログで、
ぽーちゃんという猫ちゃんが大好きなおもちゃのことを
飼い主さんがこう呼んでいたのでうちでもそう呼んでいる。

このうにおを持ち出すと、
はーちゃんは目をキラッキラさせてテンションUP。



こんなキラッキラっぷり。
瞳孔開いてますよ。



うまくキャッチできないと、

 ぶぅ~

文句言われます。

ジロ読み(3°Tappa):ジャッポネーゼの投影性同一視

3日目、6人の“逃げ”に《ティンコフ》のブルが入った。
07年ジロで、最終的に強い印象を残したのは
逃げるブルがなびかせていた後ろ髪、
逃げるイグナチェフが深い前傾姿勢で突き上げた尻、
とにかく毎日逃げる《ティンコフ》ではなかったか。

どうせ集団スプリントになるステージ、
“逃げ”の勝ち目なんてほとんどないのだけど、
《ティンコフ》が逃げないことには、盛り上がらない。

さて、数少ないスプリントステージ。
ペタッキを欠くなか、
集団スプリントの主役になるスプリンターは
マキュアン、ベンナーティ、カヴェンディッシュ、
ツァベル、ディーン、オグレディあたりかな。

僕が密かに期待しているスプリンターは
《ティンコフ》のアルベルト・ロッドと
《チェッラメンティ》のダニーロ・ホンド。
ロッドやホンドを実力のマーカーにして、
日本人のジロ勝利までの距離を測りたい。

2月の“ツール・ド・ランカウイ”で
ロッドとホンドはそれぞれ1勝ずつしている。
ホンドが勝った第4ステージでは、ロッドが9位、
《メイタンGDR》宮沢崇史が6位。
ロッドが勝った第5ステージでは、ホンドは22位、
宮沢が4位、清水都貴が8位。
第7ステージでは、ゴール前でロッドとホンドが落車した。
《ナヴィガーレ》リチェーゼが斜行して、ロッドに接触。
ホンドがバランスを崩して、ロッドとともに落車。
そうこうしているうちに《AG2R》ウソフが優勝、宮沢は3位。
このへん、みんなジロに来ている。
と思いきや、おっと、リチェーゼは開幕直前に
4月のレースでのドーピング陽性反応が発覚、出走キャンセルだった。

ロッドやホンドと渡り合えるのだから、宮沢がジロにいても、戦える。
ロッドやホンドが、ジロのスプリントで上位に食い込んでくるならば、
「もしプロトンに宮沢がいたら、どのへんか」と妄想したくなる。
妄想を華やかにするためにも、ロッドとホンドにはがんばってほしい。

ゴール前、激しい位置取り、もがき、
《ティンコフ》の黄色が前線に残っている。
《チェッラメンティ》の青が上がってくる。
行け行け!
ツァベルを寄せつけず、ベンナーティが優勝。強い。
でも、ホンドが3位!ロッドは5位!いいじゃない。
宮沢がいたら4位だったかもしれないよ、なんて。

*

アルベルト・ロッド。
07年は《チェッラメンティ》で走っていた。
07年の“ツール・ド・ランカウイ”では10ステージのうち
5ステージで勝った。憎らしいほど強かった。
08年、《ティンコフ》に移籍。
1月にはスプリンターのためのステージレース“ツアー・オブ・カタール”で
王者ボーネン相手にスプリント1勝を上げている。
07年ジロにはチームが招待されず出場していないが、
06年ジロではスプリント7位、3位、8位と、
ビッグスプリンターに互して勝負に絡んでいる。
あとはジロの区間優勝が欲しいところ。

ダニーロ・ホンド。
04年から《ゲロルシュタイナー》のエースとして走り、
ジロでもステージ2勝する活躍していたが
05年にドーピング陽性反応があり、チーム解雇。
2年間の出場停止処分を受け、もう引退だろうとも言われたが
07年は《ティンコフ》で復帰、しかし目立った戦績はなかった。
08年、《チェッラメンティ》に移籍。
《ティンコフ》と《チェッラメンティ》はロッドとホンドをトレードしたのか?
“ランカウイ”の1勝は復活宣言、やはりジロの区間優勝が欲しいところ。

20080512

ジロ読み(2°Tappa):2008年噛み合わせ問題

07年ジロの個人総合最終成績と、08年ジロのスタートリストを見比べる。
突き合わせると、不出場が多く、歯抜けのようになる。
また、移籍も多く、噛み合わせが悪い。

どうも歯並びがよくないのは
グランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)主催者と
UCI(国際自転車競技連合)の確執のためだろう。
ドーピング騒動も、ケンカのネタでしかないように見える。
グランツールの“プロツール”制の離脱によって、
上位カテゴリ“プロツール”の権威とメリットは形骸化し、
下位カテゴリ“プロコンチネンタルツール”に大物選手が流出している。


(◎=同チームで参加、○=移籍して参加、●=不参加)

【○】 07年優勝、ダニーロ・ディルーカ
ドーピングの嫌疑をかけられ《リクイガス》との契約更新できず、
下位カテゴリの《LPR》に移籍。08年4月、嫌疑は晴れた。

【●】 07年2位、アンディ・シュレック
ツールに備えてジロ回避したのか。ジロで見たかった。残念。
「ツールだけの人」は応援しない俺ルール。

【●】 07年3位、エディ・マッツォレーニ
04年のドーピング疑惑「Oil for Drug」関与の疑いのため
07年7月に《アスタナ》との契約を解消、08年4月に2年間出場停止処分が決定。

【○】 07年4位、ジルベルト・シモーニ
なぜだか《サウニエルドゥバル》から下位カテゴリの《チェッラメンティ》に移籍。
一説によれば上位カテゴリチームのドーピング蔓延に厭気が差したとかなんとか。

【●】 07年5位、ダミアーノ・クネゴ
04年勝者だが、「ツールに集中するため」とジロ回避。残念。
繰り返しだが、「ツールだけの人」は応援しない俺ルール。

【◎】 07年6位、リカルド・リッコ
シモーニの移籍で、今年は《サウニエルドゥバル》のエースとして走るのか。

【◎】 07年7位、エフゲニー・ペトロフ
連日の逃げで目立つ下位カテゴリ《ティンコフ》、地味に総合に絡む人もいたのね。

【◎】 07年8位、マルツィオ・ブルセギン
ロバ飼いブルセギン、クネゴ不在の《ランプレ》でエースナンバーを付けている。

【◎】 07年9位、フランコ・ペリツォッティ
ディルーカ放出の《リクイガス》、総合を狙えるとすればペリツォッティか。

【●】 07年10位、ダビ・アロヨ
《ケースデパーニュ》でエースのはずが、開幕前日に骨折して欠場。無念であろう。

【◎】 07年11位、エマヌエーレ・セッラ
下位カテゴリ《ナヴィガーレ》のエース、毎年このくらいの位置で走り続ける。
そういう仕事もある。総合1ケタ順位を目指してほしい。

【○】 07年12位、パオロ・サヴォルデッリ
《アスタナ》から下位カテゴリ《LPR》に移籍、ディルーカのスーパーアシストだ。


第2ステージ、山岳ではないが登りながらのゴールだったので
集団スプリントにはならず、人数がけっこう絞り込まれた、きつい展開。
結局ステージを穫ったのは《サウニエルドゥバル》リカルド・リッコ、
総合リーダーは《リクイガス》フランコ・ペリツォッティが獲得。
終盤までレースを作っていたのは、いずれも下位カテゴリの
《スリップストリーム》、《LPR》だったが、
結果を出したのはいずれも上位カテゴリ“プロツール”チームだった。
下位カテゴリに移籍したディルーカ、シモーニのここからの戦い方に
自転車競技の未来が見えるかも。

どこでも毛づくろい

暖かくなって(それでも寒いけど。ストーブたくけど。)きたせいか、
はーちゃん、どこででも毛づくろいをする。

自転車の下でだって。

 せっせせっせ

はーちゃん、どけて。

 ?

はーちゃんてば。

 ?

だんだん黒いマットが白くなっていくのであった…。

20080511

寝床のはなし

はーちゃんがうちにくることになったとき、
「安心できる場所」があったほうがよかろう、と
本棚の一部にタオルを入れて、準備しておいた。

でも毎日毎日帰宅すると、隠れていたはーちゃんが気に入ったのは…

どこかっていうと、
クローゼットの中。

ここが好きなのかい、と
ひざかけをおさがりに寝床を作ってあげた。
結局朝、わたしたちが出勤するときにはこの寝床へ直行。
休みの日も、眠くなって構って欲しくないときはこの寝床へ直行。



いろいろなものに囲まれているのに、
気に入っているらしい。
いつも爆睡して、ホッカホカになっている。

ジロ読み(1°Tappa):TTTを制すチームがジロを制す、かな?

“ジロ・デ・イタリア”、イタリア一周3週間の旅が始まる。

初日、チームタイムトライアル(TTT)。
チームごと9人同時にスタートし、隊列を組んで先頭交代を繰り返しながら走り、
5人目の選手のタイムをチーム成績とする。
通常のロードレースではチーム総合力は結果論としてしか見えにくいが
TTTではあからさまにチーム力が結果に反映される。

ジロでのTTTは、06年大会第5ステージで「17年ぶりに復活」。
06年大会のTTTステージ優勝は《CSC》、
そして同年の総合優勝は当時《CSC》のエースだったイヴァン・バッソ。
07年大会では今年と同じく第1ステージにTTTがあり、勝ったのは《リクイガス》。
エースのダニーロ・ディルーカを先着させる「お約束」を破って先頭ゴールした
エンリーコ・ガスパロットが初日のリーダージャージ“マリア・ローザ”を獲得、
ガスパロットを怒鳴りつけながら必死に追いかけるディルーカの顔は
1年経ってもありありと思い出せる。
そんな笑いを誘う波乱もありつつ、07年の総合優勝はディルーカ。

そう、つまり、過去2年の傾向あるいはジンクスとして、こう言えるだろう。
「TTTを制すチームがジロを制す」と。

3か国(イギリス、アメリカ、カナダ)のTTナショナルチャンピオンを含む
強力なTTスペシャリストたちを擁する《スリップストリーム》。
選手の実力差が大きいせいだろう、ローテーションは美しくない。
遅いチームメイトを置き去りにしながら、ごりごりと走る。
ゴール直前、限界まで先頭を牽いたと見えて
イギリスTTチャンピオンのデイヴィッド・ミラーが千切れ、
必要最低限の5人になってゴール。

TTTには定評のある《CSC》が迫るが、6秒差で届かない。
この6秒、チームプレイに徹したミラーの走りが生んだ6秒か。
それともザブリスキー、ヴァンデヴェルデの
《CSC》から《スリップストリーム》への移籍が生んだ6秒か。
TT世界チャンピオン、カンチェラーラが来ていれば6秒は詰められたか。
とにかく、その6秒で《スリップストリーム》が初日ステージ優勝、
クリスティアン・ヴァンデヴェルデが“マリア・ローザ”を獲得。
《スリップストリーム》としては、TTT勝利でジロの成果としては上々、
すでに「成功」と言えるだろう。

現時点で、ヴァンデヴェルデから、主要な優勝候補までの時間差。

 07年ジロ勝者、《LPR》ディルーカまで、28秒。
 07年ツール勝者、《アスタナ》コンタドールまで、29秒。
 01、03年ジロ勝者、《チェッラメンティ》シモーニまで、51秒。
 07年新人賞2位、《サウニエルデュバル》リッコまで、1分2秒。
 07年ブエルタ勝者、《ラボバンク》メンショフまで、1分4秒

現時点ではTTTのタイム差が、そのまま総合順位のアドバンテージになる。
《スリップストリーム》の「TTTを制すチームがジロを制す」の実現は厳しいだろうか。
どこまで“マリア・ローザ”をキープできるか期待したい。

20080508

まだ?

 まだ?

 まだ?

…あのう、さっきから5分しか経ってませんよ。

 ごはんまだーーーー!!

20080501

初公開

はーちゃんの寝床。
詳細は…まて次号。