「自転車は左側を通れ」と、殴られ重体 埼玉
2008.10.13
12日午後6時5分ごろ、埼玉県越谷市東越谷の市道で、近くの無職、堀口昌宏さん(71)が向かいから来た自転車の若い男と通行をめぐり口論となり、顔を殴られた。堀口さんは倒れて路面に頭を打ち意識不明の重体。男はそのまま逃走した。越谷署が傷害事件として捜査している。
調べでは、男は20代後半ぐらいで身長約170センチの中肉中背、髪が長めで紺色っぽい背広を着ていた。堀口さんは妻や友人らと市内の居酒屋で飲食した後、ラーメン店に向かう途中、男に「自転車は左側を通れ」と声を掛け、トラブルになったという。
(産経ニュースより)
・自転車は道路交通法上「軽車両」であり、
自動車やバイクと同じく、車道の左側を走らなければならない。
堀口さんは正しい。
中肉中背男の右側通行は、違法であるばかりか、とても危険だ。
自転車は左!と声を大にして言おう。
これ、ほんとうに、右側通行は危険なんですから。
・さらに、紺色っぽい背広男は堀口さんを殴り重体にさせている。
言うまでもなく刑法により暴行罪、いや、傷害罪に問われる行為。
ひどい話である。
暴力はよくないね。
・ただし、居酒屋からラーメン屋への移動中であったことを思えば
おそらく99%ほどの確率で堀口さんは酔っていたはずだ。
メッセージ内容としては「自転車は左!」だったかもしれないが
表現は違ったかもしれない。
つまり、もしかすると、
「おい、そこの鼻たらした小僧、おまえ、自転車は左を通るってことくらい
親に習わなかったのか、えっ?、常識だろうが、常識、
親のツラ見てみたいね、偉そうに背広なんか着て、何様だよ、偉そうに、
物知り顔で右側通行してりゃ、世話ねえよ」
というような表現だった可能性がないわけではない。
いや、これはあくまで可能性のことだけど。
・教訓として、ひとつには
「正しい内容、ソフトに上手に伝えよう」。
いや、もちろん、
堀口さんは物腰やわらかくていねいに伝えたのかもしれない。
それでも殴られたのかもしれない。
だから、もうひとつの教訓は
「必ずしも正義が勝つとは限らない」。
・最後に、記事の見出しのこと。
《「自転車は左側を通れ」と、殴られ重体》って、まるで
右側通行していた人が叱られながら殴られたみたいじゃないか。
見出しの字数制限はあるにせよ、記者には正確を期してもらいたい。
たとえば
《自転車の右側通行を注意し、殴られ重体》とかね。
もうひとつ似ているような、似ていないようなニュース。
たぶん男子高校生はいわゆる「暴走自転車」で、
教育委員会の課長は危険の運転を注意したかっただけだろうが・・
宇部市教委職員を逮捕=自転車でトラブル、高校生殴った疑い−山口県警
2008.10.09
自転車で道路右側の歩道を走行中、自転車で対向してきた男子高校生を擦れ違いざまに殴ったとして、山口県警宇部署は9日、暴行容疑で、宇部市教育委員会総務課課長補佐、安村和也容疑者(50)=同市開=を逮捕した。「殴るふりはしたが、当たっていない」と否認している。
(時事ドットコムより)