えーと、もう、別の話をしたくなってきたので
はしょって、ざっくりした感じで話を進めちゃう。
6、ツールド北海道を観た。
まだ自転車に心惹かれる前のことだけど、モエレ沼に噴水を見にいったときに
偶然、ツールド北海道というロードレースのゴールシーンに出くわしたことがあった。
とんでもないスピードの自転車の集団が一瞬で「シャーッ」と駆け抜けていった。
自転車レースのゴールと聞いて、漠然と想像したのとは、まったく違った。
衝撃的で、しばらく「自転車すげー」とか「シャーッ」とか言っていた。
でもそのときはべつに「すごい!オレも走りたい!」なんて思わなかった。ぜんぜん。
その後、そのレースのテレビ中継を録画したDVDをもらって、観た。
レースの見所をかいつまんで、ごくごく短く編集された番組だったけど、
これがまた面白かった。
たぶん、なんか、そういうのもあって、
だんだんとロードレーサーを欲しいと思うようになったのだと思う。
7、さきだつものの問題
欲しい欲しいと言っても、さきだつものが要る。さきだつものが・・・ない。
そこで考えた。
車を売って、売った金で自転車を買えばいい。これはいい考えだと思った。
いや、実は、それ以前から車検だ、手続だ、違反だ、罰金だ、と
自動車がらみのストレスフルなことが積み重なって、もう、めんどくさくなっていたのだ。
だから、この際、車は手放して、自転車を手に入れようと思ったのだった。
でも、その後、ひょんな臨時収入があったよっこが自転車を買ってくれることになった。
※ひょんな臨時収入とは「お母さんに預けたまま忘れていたお年玉貯金」である。
ちなみに、それでも車は売って、別の物を買うことにしたのだけど、その話はまた今度。
8、エンペラーと出会う。
2006年12月24日(クリスマスイブだ)に自転車屋に行った。
歳末セール最終日だった。
店にはかっこいい(=高い)自転車がたくさんあって、うっとりする。
僕がインターネット事前調査で気に入っていた自転車もあった。
またがらせてもらった。小さすぎて、だめだった。
お店の人が、初心者向けで、サイズもちょうどよい自転車をみつくろってくれた。
それは、丸石サイクルの「エンペラー」。
丸石エンペラーと言えば、ランドナーとして定評のある機種。
ランドナーというのは、「たくさん荷物を積んで長期間の旅をする自転車」で、
僕のうすぼんやりとしたイメージとしては、
ロードレーサーがサラブレッドなら、ランドナーは道産子だ。
でも、このとき紹介されたのは、ロードレーサーのエンペラーだった。
「え、そんなものがあったの?」という感じ。
入門にはよさそうな自転車だった。
しかも、定価が驚くほど安いのに、さらに、歳末セール価格になって、
ありえないほどお買い得だった。
ただ、その、見た目の第一印象は
「これは、いや、はや、しかし、うーむ、あまりにも、ださい・・・」
9、悩む。
即決は、できなかった。
歳末セールは最終日だったけど、翌日までならセール価格で売ると言われ、
1日の猶予をもらって帰った。
帰って、ネットで調べたけど、ロードのエンペラーは見つからない。
どうやら、昨年か一昨年に廃番になっているようだ。つまりは売れ残りだ。
インターネットでの調べもので、夢は膨らむだけ膨らんでいた。
イタリアブランドの美しい自転車をさんざん眺めて、目だけは肥えてしまっていた。
悶々と眠れぬ夜を過ごした。
翌日は仕事も手に付かなかった。
10、買っちゃった。
2007年12月25日(クリスマスだ)、再び自転車屋さんへ行った。
年内最終営業日の、閉店間際だった。
もう一度見てみたら、エンペラーは思ったほど悪くなかった。
で、エンペラーを2台、取り置きを頼んだ。
年明けにまた店に行って、お支払いをした。
それからしばらくして、配達されてきた。
こうして、さとう家には2台のロードレーサーが届けられた。
でも、外は雪。
うちのなかで、3メートルほど乗ってみることしかできない。
そして春を待つ。