TOUR DE FRANCE 2008
ETAPE03:幸運な者とそうではない者。
何もないはずの日だった。
ただ平坦なコースレイアウトで、何人か逃げて、そのうち捕まり、予定調和のうちに集団スプリントになり、惜しくもエリック・ツァベルが勝てず、ツァベル以外の誰かが勝つ。そんな、デジャヴのようなステージになるだろうと思っていた。総合順位に変動はなく、マイヨジョーヌを争うエースたちは力を温存すること、平穏無事にゴールすることだけに専念することになるのだろうと思っていた。
とんでもない。予定調和も、平穏無事も、ない。
また落車が起きて、集団が割れた。割れたといっても、はじめは、ひび割れ程度だったろう。《クイックステップ》が牽きまくって、ひび割れたところを、かち割った。割れてしまったうち、前の集団に入れた者と、後ろに残された者がいる。幸運な者と、そうではない者。幸運だった前の集団にはバルベルデ、キルシェン、エヴァンス、シュレック、クネゴらがいた。そうではなかった後ろの集団にはリッコとメンショフがいた。力を温存すべきメンショフが、自ら集団を牽かざるを得なくなった。
我らがエウス子たちは、大半が幸運だった。チュルカとベルドゥーゴ以外は、みんな幸運な集団にいた。結果、軒並み総合順位を上げている。
リッコが遅れたのは残念だ。「総合は狙わない。あくまでステージ狙い」と言うが、そんな建前にとどまれるほど、彼はオトナじゃない。結局は必死で戦うことになるだろうと思っていたが、この展開では、ほんとうにステージ狙いに終始するかもしれない。
うちのサンチェスも、リッコ同じように「ステージ狙い」と話している。いや、スペイン語のインタビューを、英語経由の自動翻訳されたナンセンス日本語で読んだので、ほとんど意味はわからないのだが、たぶん「ステージ狙い」と言っているのだと思う。しかし、第4ステージはサンチェスの得意なタイムトライアル。ここでエヴァンスに互して走れれば、総合争いにも絡めるのではないだろうか。
第4ステージTTには、もうひとつ期待することがある。クネゴが大崩れし、ブルセギンがタイムを稼ぎ、《ランプレ》のエース交代が起きる・・・そんなことがあったら、にわか《エウスカルテル》ファンながら、ブルセギンの応援に回ってしまいそうである。
◆第3ステージリザルト(区間順位、総合順位[タイム差]、Wiki)
21 スベルディア……54位……33位↑[+1.52]……Wiki記事あり
22 アスタルロサ……31位……17位↑[+1.52]……なし
23 イサシ……………14位……86位↑[+3.45]……Wiki記事あり
24 マルティネス……52位……36位↑[+1.52]……なし
25 オロス……………63位……87位↑[+3.45]……なし
26 ペレス……………32位……71位↑[+2.57]……なし
27 サンチェス………37位……18位↓[+1.52]……Wiki記事あり
28 チュルカ………159位…115位↓[+5.16]……なし
29 ベルドゥーゴ…111位……58位↓[+2.41]……なし
(他チーム有力選手の総合順位[タイム差])
バルベルデ……………………………4位[+1.45]
キルシェン……………………………5位[+1.46]
エヴァンス……………………………9位[+1.46]
兄シュレック………………………11位[+1.46]
弟シュレック………………………20位[+1.52]
★ブルセギン★……………………28位[+1.52]
サストレ……………………………31位[+1.52]
デヴォルデル………………………32位[+1.52]
クネゴ………………………………35位[+1.52]
リッコ………………………………49位[+2.24]
メンショフ…………………………52位[+2.30]
クルージガー………………………55位[+2.30]