ちいさな旅の目的はふたつあって、
ひとつはすでに書いたとおりオロフレ峠でのツールド北海道観戦。
もうひとつは、「TOBIU MEETS OKI」というイベントだった。
白老に、飛生(とびう)という地域があって、
古くは炭坑があったという話もあるけれど
今は何もないような場所。
80年代には飛生小学校が閉校し、
その廃校に「飛生アートコミュニティー」というものができた。
その「第一世代」の子どもたちを含む「第二世代」が
今また創作活動をしている。
旧飛生小学校
(photo : ゆうすけ/gl(ジーエル))
「TOBIU MEETS OKI」は、その飛生での、
造形作品の展示とライブのイベント。
ライブ出演者はJA-woodooとOKI。
OKI(オキ)は
おもにアイヌの弦楽器トンコリを演奏するミュージシャンで
アイヌ音楽を国内外に知らしめ
ワールドミュージックのなかに位置づけた人。
安藤ウメ子さんのプロデューサーとして知っていたけど
彼の音楽そのものを聴いたことがなかった。
興味はあったけど、聴く機会をもたなかった。
今回ようやく聴けるのを楽しみにしてた。
JA-woodoo(ジャウドゥ)は、
今は2人構成のジャンベのグループ。
世間的な知名度ではOKIとはまったく格が違うのだろうけど
僕にとってはスーパースターだ。
赤いジャケットのアルバム、たった1枚を持っているだけ。
でも、そのCDを何十回も繰り返し聞いた。
ライブを観たいと思っていたけど、活動休止していたらしく
今まで機会がなかった。
こちらも、ようやくライブが観られる。
というイベントがあるというので、飛生へ行くことになった。
でも、このイベントで知るまで、飛生という地名はまったく知らなかった。
気になって、あとから調べていたら、面白い記事を見つけた。
高校野球で全国的に知られるようになった「苫駒」の
高校じゃなくて本体の大学「苫小牧駒沢大学」のサイトにある
インターネット講座のうちの「北海道と胆振地方の古代史」。
あくまでもひとつの仮説として、だけど、
「飛生」のことが『日本書紀』に書かれているのではないか
というお話。
『日本書紀』の一節に、
「問兎(とひう)の蝦夷」という人たちが登場して
「後方羊蹄(しりへし)を政所にするといいよ」と言った
と書いてあるそうだ。
その、「問兎(とひう)」というのが「飛生(とびう)」じゃないか
という仮説。
ほんとうかどうか、ぜんぜんわからないけど、
北海道には縁がないかと思っていた古代日本史が
急に身近に迫ってきたようで、驚く。
遺跡や、古い神社仏閣ならば、心構えもある。
でも、あの、ただの草原が歴史の舞台だったと思うと
ファンタジーの世界に取り込まれたような気分になる。
しかも「兎に問う」とは、これまたファンタジーな感じだ。
不思議の国のアリスの冒頭場面が思い浮かぶ。
ぜんぜん関係ないけど。
今回、自転車が出てこなくて、さみしいので、小ネタをひとつ。
自転車発電ジャンベ叩きロボ
あと2回くらいで終わりたいなーと思いつつ
「8へつづく」!