20080902

オリーブの縁、アンダルシア/カガワ

 パンを何で食べますか。バターか、マーガリンか。マーマレードか、ヌテラか。バゲットにたっぷりオリーブオイルをかけて食べるのが美味しい。ある程度の金額を出して、それなりのオリーブオイルを買うと、食生活が変わる。オリーブオイルに塩こしょうで、たいがいのものは美味しく食べられる。まず、パスタが気軽な食べ物になる。トマトソースやクリームソースがなくても、オリーブオイルがあればどうにでもなる。オリーブオイルを熱して、にんにくがあるならにんにくの味を写し、唐辛子があるなら唐辛子の辛みを出して、何もなければ塩こしょうだけでも、オイルが美味けりゃパスタも美味い。ドレッシングなんて要らなくなる。フレッシュな野菜と、フレッシュなオリーブオイル、塩こしょう。それだけでサラダは美味しい。馬路村の柚子ぽん酢と、アンダルシア産のオリーブオイルがあれば、もう、なんとか風味のドレッシングを買う必要なし。さらば愛しのキューピーちゃん。

 オリーブオイルの本場というと、なぜかイタリアのような気がするのだけど、世界中のオリーブオイルの3分の1はスペインで作られていて、これは世界一の生産量だと言う。しかも、スペインのオリーブオイルの8割はアンダルシアで作られている。なかでも、アンダルシア州8県のひとつハエン県の県都ハエンは「オリーブオイルの首都」と呼ばれる。ハエンがヴェルタ第3ステージのスタート地点。この日のゴール地点は同じくアンダルシア州、コルドバ県の県都コルドバ。我が家でいつも使っているオリーブオイルの工場はコルドバにある。ハエンからコルドバまで165キロを走る第3ステージ、地元チーム「アンダルシア・カハスール」のマヌエル・コルドバがひとり逃げ。レースの風景はひたすらオリーブ畑である。畑というか、果樹園。果てしない砂色の大地に、グリッド状に規則正しく並ぶオリーヴの樹が四方どこまでも続いていく、気の遠くなるようなランドスケイプ。ヴェルタ3日目、すでにして寝不足、オリーブマトリックスの映像を見るうちにほんとうに気が遠くなり、ふっと目を覚ますとフラムルージュ、あっという間にトム・ボーネンが勝った。

 香川県の「県の木」はオリーヴだそうだ。1908年、日本にはじめてオリーブが輸入され、小豆島に植えられた木だけが根づいた。今年で植栽100周年、今でも栽培されている。ミロのヴィーナスが発見されたことで知られ、オリーブの産地でもあるギリシャのミロス島と、小豆島は1989年に「姉妹島」の調印を交わしている。1989年、近藤真彦が「アンダルシアに憧れて」を歌った年だ。アンダルシアもいいけど、僕は香川県に憧れる。直島の地中美術館に行きたい。丸亀猪熊弦一郎美術館に行きたい。丸亀市はサン・セバスチャンと姉妹都市、いいなあ。うらやましい。僕の今いちばんほしい自転車「タイレル」は、さぬき市で作られている。さぬきといえば、うどん。「うどん」&「オリーブオイル」の検索結果、けっこうわくわくする。


---メモ:小豆島×オリーヴ---

小豆島オリーブ公園
小豆島オリーブ園
たまらなく小豆島オリーブ探検隊(※オリーブ里親募集あり)
小豆島ヘルシーランド(※宇野千代御用達オリーブ化粧品)