20070210

さとう家に猫がなれるまで(その1)



朝、といっても9時頃に起きるとまたはーちゃんがいない。
ご飯も手をつけていないし、トイレもそのまま。
「はーちゃーんどこー?」と呼びながら探すと、
今度は窓と小上がりの隙間に入り込んで顔を隠していた。

ここは寒かろうとひっぱり出したら、またキッチンの隅っこへ移動。
その後は「にゃーにゃー」と大きな声で鳴きながら、
流し台に手をかけて立ち上がって見てみたり、
どうやら部屋を探索している様子。
私たちはとにかく静かに、そして背を低くして、
「にゃー」と鳴くと「はーい」と返事をしながら見守っていた。

ひとしきりキッチンで鳴いたあと、
居間へ移動したはーちゃんは本棚の下から2段目に入って鳴いたり、
テーブルの下に入ってまた鳴いたりしていた。
ひとしきり動いたら、また窓と小上がりの隙間に顔を隠してしまった。
とりあえず、そのままそっとしておく。

何度もはーちゃんを見に行ってみたけれど、そのままの体勢でいる。
預かっていたYさんが、昼間は寝ていて夜活発だった、と言っていたので
今は眠い時間なのかもしれない。
19時頃、覗いてみると目を開けていたのでいつの間にか起きていたようで、
狭い中で顔を洗っていた。
昨日よりは、だいぶリラックスしている様子。

でも出てはこない。
23時を過ぎても出てこない。

隙間にいると窓からの結露した水滴で体が濡れてしまっている。
無理にそこからはひっぱりだして、タオルで体を拭いたらどうやら嫌だったらしく(そりゃそうだ…)、
今度はテーブルの下にじっとしてしまった。
ピコリがもう隙間に入らないように、と新聞紙をまるめて隙間を埋め尽くしてみた。
そして体を拭いたタオルを隙間の前に置いておいた。

そのタオルがあんなことになろうとは…。

それが2月4日夜、はーちゃんが来た次の日のこと。