20080512

ジロ読み(2°Tappa):2008年噛み合わせ問題

07年ジロの個人総合最終成績と、08年ジロのスタートリストを見比べる。
突き合わせると、不出場が多く、歯抜けのようになる。
また、移籍も多く、噛み合わせが悪い。

どうも歯並びがよくないのは
グランツール(ジロ、ツール、ブエルタ)主催者と
UCI(国際自転車競技連合)の確執のためだろう。
ドーピング騒動も、ケンカのネタでしかないように見える。
グランツールの“プロツール”制の離脱によって、
上位カテゴリ“プロツール”の権威とメリットは形骸化し、
下位カテゴリ“プロコンチネンタルツール”に大物選手が流出している。


(◎=同チームで参加、○=移籍して参加、●=不参加)

【○】 07年優勝、ダニーロ・ディルーカ
ドーピングの嫌疑をかけられ《リクイガス》との契約更新できず、
下位カテゴリの《LPR》に移籍。08年4月、嫌疑は晴れた。

【●】 07年2位、アンディ・シュレック
ツールに備えてジロ回避したのか。ジロで見たかった。残念。
「ツールだけの人」は応援しない俺ルール。

【●】 07年3位、エディ・マッツォレーニ
04年のドーピング疑惑「Oil for Drug」関与の疑いのため
07年7月に《アスタナ》との契約を解消、08年4月に2年間出場停止処分が決定。

【○】 07年4位、ジルベルト・シモーニ
なぜだか《サウニエルドゥバル》から下位カテゴリの《チェッラメンティ》に移籍。
一説によれば上位カテゴリチームのドーピング蔓延に厭気が差したとかなんとか。

【●】 07年5位、ダミアーノ・クネゴ
04年勝者だが、「ツールに集中するため」とジロ回避。残念。
繰り返しだが、「ツールだけの人」は応援しない俺ルール。

【◎】 07年6位、リカルド・リッコ
シモーニの移籍で、今年は《サウニエルドゥバル》のエースとして走るのか。

【◎】 07年7位、エフゲニー・ペトロフ
連日の逃げで目立つ下位カテゴリ《ティンコフ》、地味に総合に絡む人もいたのね。

【◎】 07年8位、マルツィオ・ブルセギン
ロバ飼いブルセギン、クネゴ不在の《ランプレ》でエースナンバーを付けている。

【◎】 07年9位、フランコ・ペリツォッティ
ディルーカ放出の《リクイガス》、総合を狙えるとすればペリツォッティか。

【●】 07年10位、ダビ・アロヨ
《ケースデパーニュ》でエースのはずが、開幕前日に骨折して欠場。無念であろう。

【◎】 07年11位、エマヌエーレ・セッラ
下位カテゴリ《ナヴィガーレ》のエース、毎年このくらいの位置で走り続ける。
そういう仕事もある。総合1ケタ順位を目指してほしい。

【○】 07年12位、パオロ・サヴォルデッリ
《アスタナ》から下位カテゴリ《LPR》に移籍、ディルーカのスーパーアシストだ。


第2ステージ、山岳ではないが登りながらのゴールだったので
集団スプリントにはならず、人数がけっこう絞り込まれた、きつい展開。
結局ステージを穫ったのは《サウニエルドゥバル》リカルド・リッコ、
総合リーダーは《リクイガス》フランコ・ペリツォッティが獲得。
終盤までレースを作っていたのは、いずれも下位カテゴリの
《スリップストリーム》、《LPR》だったが、
結果を出したのはいずれも上位カテゴリ“プロツール”チームだった。
下位カテゴリに移籍したディルーカ、シモーニのここからの戦い方に
自転車競技の未来が見えるかも。