20080526

ジロ読み(15°Tappa):「山の王」の光と影、そして「骨折のジロ」へ

レオナルド・ピエポリ、07年ジロ「山の王」。
《サウニエルドゥバル》にあって、シモーニ、リッコ’に
献身的なアシストを捧げ
いや、「献身的なアシスト」は慣用句ではなく
まさに文字通り、身を粉にする献身的な働きでエースを支えた。
ゴール前で先着を譲って、両エースにステージ優勝を飾らせ、
自らもひとつステージを穫った。
少なくとも僕には、そしておそらく多くのファンに、
総合優勝したディルーカ以上に強い印象を残した。

今年もまた、シモーニ移籍後の《サウニエルドゥバル》にあって、
いよいよ優勝候補に挙げられるようになったリッコ’のアシストとして
当然に活躍するものと、誰もが思った。
ドロミテ山塊に入り、いよいよピエポリの出番だった。
しかし・・・

11ステージの落車で負傷。
その後に続いた平地ステージでの回復が期待されたが
ドロミテ突入の14ステージではまだ痛々しい姿で
どうにか走っているような有様、
おまけにまた落車し、座り込んだまま立ち上がれないでいた。
ゴール前で勝負がかかったシーン、ピエポリの姿はなかった。
あとから、骨折のためリタイアしたと報じられた。

セッラがドロミテ2連勝を飾り、
新たなる「山の王」として名乗りを上げた陰で、
あんなにも強かった07年「山の王」ピエポリは、
彼が最も輝くはずであった最難関の山岳ステージの途中、
ジロを去っていった。

コンタドールが総合トップに上がり、初のマリアローザを着た。
ザブリスキーからピエポリに至る骨折リタイアの多発があって
さらに、亀裂骨折を負いながらコンタドールが総合優勝した日には
今大会、「骨折のジロ」として記憶されることになるだろう。